2012年5月21日月曜日

求む、日本人学生

今学期は土曜日の午前中にUnderstanding Consumersというマーケティング系のクラスを受講している。おそらく学生の数は40人ぐらいだと思うのだけど、その中に日本人が4人もいる。単純に10%が日本人って、海外のMBAのプログラムでもそうそうない割合ではないかと思われる。これまでクラスに日本人が一人という状況がほとんどだった中で、日本人が4人もいるというのは嬉しく頼もしいものだ。

そもそもパートタイムには日本人は2人しかおらず、しかも当初はおそらく意図的に別のグループに割り当てられたので、コアコースを取っている間は、彼とは同じクラスを受講することがなかった。選択科目の受講が始まっても、今学期になるまでは機会がなかったのだけど、このUnderstanding Consumersでは、彼だけではなくて、フルタイムの学生2人も参加しているので、一気に4人になったということなのだ。

しかもこの4人は結構授業でも発言するので、国籍別のクラス参加度では10%以上の貢献はしているを思われる。やはりインド人は良く話すのだけど、香港人は意外とおとなしい。いろいろ聞いてみると、中学や高校では、先生に対して質問したり反対したりなんてことは御法度で、そもそもクラスで発言するという文化はそんなに強くないらしい。普段はあれだけ良くしゃべるのに、授業中はいたっておとなしい。しかし、質問はだめなのにクラスでばりばりご飯を食べるのは問題なかったのだろうか、とふと思う。

我々の一学年下のパートタイムには、残念ながら日本人がおらず、かろうじて東大卒のインドネシア人が一人いるぐらい。そのさらに後の年も今のところ日本人のパートタイムがいるとは聞いていないのだけど、どうやら日本人の血を引くクオーターのインドネシア人が一人入学を予定しているらしい。本当はもっと日本人にも参加してほしい、と思っているのだけど、プロモーション不足なのか、現役学生(我々・・・)の悪い噂でも流れているのか・・・・。

ダイバーシティを誇る科技大学のMBAで、日本人にはその一員であって欲しいと思うし、意外と各授業で日本について触れられる機会も多いので、日本人が一人もいない教室で日本について語られるより、そこで一言、日本人の観点からの意見が言えたりするとディスカッションの価値もあがるし、そのことで他の学生に得てもらうことも多くなるに違いないと思う。日本の存在感がやや薄れつつあるこんな時代だからこそ、積極的にこちらから飛び込んでいくことが必要なのだと思う。特にパートタイムは時間の制限、仕事の調整、長期間に渡るコミットメント、年々高くなる学費と、ハードルがいくらかあるのは確かなのだけど、それらは香港人や他の海外出身の学生にとっても同じことなので、こなせないことはないはず。微力ながら機会があればプログラムのプロモーションには貢献していきたい。

2012年5月20日日曜日

学生の特権

MBAを始めたおかげで、とは言ってももう1年半も経つのだけど、久しぶりに「学生」というステータスで社会に存在している。パートタイムのプログラムなので、実質学生なのは平日6時以降と週末ということなのだけど、世の中学生であることによってやや経済的に得をすることがいくらかある。本来ならばフルタイムの学生のためのサービスなのだろうけど、幸いフルタイムとパートタイムを区別されることはあまりないので、ありがたく恩恵に預からせていただいている。



■無料Wi Fi
香港の大手通信会社のPCCWが、香港の大学と協力してUniversities via PCCWというプログラムを提供している。各大学のITシステムへのログイン情報で、PCCWの提供するWi Fiサービスが使えてしまうというもの。PCCWは香港の通信会社でも抜群にWi Fiのカバー率が高いので、なにかと重宝する。ショッピングモール、地下鉄、ファストフード、カフェ、コンビニ、そして公衆電話の周り等々、Wi Fiスポットを探すのに苦労することはない。同級生に聞くと、無料だけど遅すぎる、と文句を言うのもいるけれど、普通にメール送ったりウェブを見たりする分には遅いと感じることはない。文句を言うやつはきっと動画でも見てるに違いないと思っている。香港の通信費は元々対して高くはなく、同じWi Fiサービスを普通に申し込んでも月々98ドル。それでもありがたいけどね、正直。

■Financial Times
がタダで読める。と言っても電子版だけなのだけど、それでも新聞の中でも飛び抜けて高いFinancial Timesが無料で読めるというのは大盤振る舞いだ。普通に購読すると、オンライン版でも年間でUS400ドルはする。このサービスは実はつい最近始まったばかりで、自分が入学した年には提供されていなかった。ちょうど選択科目の経済、金融関連のクラスで教授がうるさく読めと言っていた時期に始まったので、個人的には随分と助かりお世話になった。iPhoneアプリもあるので、一日に一回ぐらいは目を通すようにしているけれど、基本的に仕事へのつながりはあまりない。。。今日のFTでさ、なんて仕事の中で言えるようになってみたい。

■Wall Street Journal
メディア関連ではWSJも無料で毎日PDF版が閲覧できる。これも最近始まったプログラムで、フルタイムの学生にしか招待がなかったようなのだけど、ちゃっかり噂で聞いて登録してみると、パートタイムの学生でも全く問題なかった。ただ、登録はしたのだけどほとんど読んでいない。FTがウェブやアプリで閲覧できるのに比べて、WSJはメールでPDFが送られてくるだけなので、開いたりスクロールしたり拡大したり、というのが、特にiPhoneだとかなり厳しい。フルタイムの学生はみなiPadが支給されるので、読みにくさもやや緩和されるのだろうか。。せっかくのよいプログラムなのに、チャネルの制限で損をしているのは否めない。FTにしてもWSJにしても、学生が卒業後に継続して購読してくれるように、という意図のプログラムなのだろうけど、これまでのところ、FTが大きくリードという感じ。FTを薦める教授は多いけれど、WSJは授業の資料としては使われていても、購読を薦められることはあまりない。

■コンピュータ関連
かなりお世話になったのが、ソフトウェアやコンピュータ関連のハードウェアの割引。入学時はXPを使っていたので、Windows7とOffice2010にアップグレード、最近はMacMiniを購入した際にハードウェア割引を利用させてもらった。MacMiniは正直言って割引率は高くはなく、HK$100ぐらいの違いにしかならないけれど、MacbookAirであればHK$400安くなるとのこと。最近はクラスで見かけるコンピュータもMac率が異常に高い。ざっと見た感じでは7割ぐらいはMacだ。自分はLet's Noteをもう数年使っているのだけど、大抵同級生の反応は「なんじゃそりゃ。」的なものになる。一時期香港でもToughbookの名前で売られていたのだけど、あっという間にいなくなってしまった。そもそも「パナソニックってPC作ってるの?」的な反応は珍しくない。なので、日本人として、一生懸命、「日本のビジネスパーソンの間での人気は抜群なんだ、頑丈なんだ、軽いんだ、ほら、持ってみろ!」ってプロモーションするんだけど、香港で買えないのでいくら頑張ってもあんまり意味はない。そもそもMacbookAirが半額以下で買えちゃうのだから、ちょっと太刀打ちできない感はある。



■その他
映画を学生割引価格で見れるらしい、と聞いたのがつい最近。MBA始まってからも数回は見に行ったのに、学割で買うことをすっかり忘れていた。地下鉄なんかの学生割引が使えなかったので、てっきりこういう典型的な学割は使えないのだと思ってしまっていた。

経済的なメリットではないけれど、学校や学生会が開催する様々なセミナーに参加できるメリットも最後に挙げておきたい。明日は日産のカルロス・ゴーンのセミナーがあり、幸いにも参加できることになっている。これも学生ならではの特権であり、むしろお金で買えない分貴重でもある。これまでもBCGとGoogleの共同リサーチ発表会、香港の食べログ的位置づけのOpenRiceの創設者のセミナー、TEDとUSTのコラボ、そして行けなかったけど、実業家としても頑張っているという俳優ニコラス・チェ(謝霆鋒) のセミナー等、貴重な機会が多くあった。こういう外からのインプットというのは非常に貴重で、仕事や授業の範囲で受ける刺激とは異なる分野であることも多いので、直接すぐに何かの役に立つということは少ないのだけど、興味の範囲が広がるのは間違いなく、それがふとした拍子に会話の中で関連の話題が出てきて対応できたり、インスピレーションにつながったりすることがある。最も大事なことは、こういうインプットが大事だということを改めて思い出せたこと。仕事だけをしていた時には、触れる情報源も限られて、自分ではいろいろなことに興味を持っていたつもりでも、今から思うと非常に狭い世界で毎日を過ごしていたように思う。こういう外の世界への興味は、卒業してからもできる限り忘れずに、様々な機会を見つけていろいろなセミナーやコンファレンス、イベントに参加していきたいと思っている。











2012年4月26日木曜日

キャセイのパイロットはいくら稼いでいるのか

仕事柄いろいろと人事や労務関連の情報に触れることが多い。業界では大手企業をベンチマークとして、採用動向、給与水準や昇給率なんかが決められることが多いのだけど、エアラインのキャセイパシフィックはそんなベンチマーク企業の一つだ。

ここ最近の新聞報道等を見ていると、なんとなく業界の賃金構造が見えてきて面白い。

まず、3月7日のSouth China Morning Postでキャセイがグラウンドスタッフの採用を増やすという記事の中で、彼らのスターティングサラリーがだいたいHK$11,000~HK$12,000だとされている。HK$11,000というと、香港大学卒業の新卒の学生よりやや良いぐらいで、統計局の調査によると香港全体のサラリーの中央値とされている。

続いて3月11日の明報によると、同じくキャセイが1000人のフライトアテンダントを採用するという記事の中で、初任給としてHK$16,000がオファーされる、とある。エアライン勤務だといろいろと手当があるのではないかと思ったのだけど、この数字は全ての手当を含んだ数字だとのこと。HK$16,000だと香港で一人暮らしをするにはかなり厳しい。外国人スタッフの場合は恐らく住居等の手当が別途出ているのではないかと推測できる。

最後に、4月24日のApple Daily他で、キャセイがパイロットの採用を行う予定、との記事が掲載されていた。パイロットになるためには大学卒である必要はなく、日本で言う高校や専門学校にあたるレベルの教育を修了しており、英語が流暢であることが条件とのこと。採用されると、オーストラリアのアデレードで14ヶ月の研修があり、セカンドオフィサーとしての選抜に臨むことになる。研修後のサラリーと手当を合わせると、月給はHK$48,000になる。

ただ、趣味でやっているサッカーのチームメートに、キャセイとドラゴン航空のパイロットが一名ずついる。冗談半分で、きっと10年後はお前ら仕事ないよ、って言っている。雇用の確保さえ気にしなければ、自動化できる職業は世の中にごまんとある。エアラインだって、飛行機の操縦はほぼ自動化されていると言われており、最近起こった事故のほとんどは人的要因であり、人が運行に関わることで危険度が上がっているのではないかという矛盾も指摘されている。10年後は飛行機に乗り込むパイロットなんていなくなっちゃって、地上からモニタを見ているだけになっているかもしれない、と本気で思う。

とは言いつつ、いくらテクノロジーが発展しても、労組がここまで強い業界でそう簡単に仕事はなくならないだろうとも思う。日本と同じで、香港でもエアラインの労組は特に強力だ。コスト、テクノロジー、パワーが複雑に影響し合い、なかなか効率の論理だけでは予想がし難い。

最後に一つ、本日4月26日のApple Dailyから、アメリカーのリサーチ機関によると、一番幸せを感じるのは月給HK$32,000をもらっている人、というニュース。このあたりの給与だと、丁度ワークライフバランスをとることが可能だということのようだ。これより下だと経済的な負担が大きく、これより上だと、労働時間が長くなる傾向があるとのこと。確かに個人のサラリーとして5万も6万ももらっている人は、家族を顧みずに働いている人も多いし、2万ぐらいだとマイホームとは一生縁がないかもしれない。3万を越えると、マネジャー職ではあるものの経営を担うという程ではなく、世帯収入で5万から6万程度になり、余裕というほどではないにしても、子供を育て、ローンを組んで自宅も購入でき、年に2回ぐらいは海外旅行に行ける、というレベルに達するのかもしれない。


2012年4月13日金曜日

バンコクへGO!

先週のイースターの休暇を利用して、久しぶりにタイに行ってきた。
香港からタイは日本に帰るより近く、3時間もかからない。この時期は大量の香港人がタイに向かうので、飛行機は満席に近く、知人でも何名もバンコクやプーケットに出かけた人間がいた。

一緒に行った香港人は既に何回もバンコクを訪れており、最初に行ったのは高校生の時に社会人一年目の姉と行ったとのこと。タイ、台湾あたりは、香港人にとっては週末に気軽に出かけられる目的地で、東京に住む人にとっての伊豆や草津とたいして距離感は変わらない。香港内にそれほど出かける場所がない、ということもあるけれど、こうやって若い内から海外の文化に触れる機会を得ているとも言えるのだなあ、とふと思う。日本もようやく格安航空の普及で上海や韓国は気軽に行けるようになってきている様子。若いうちから是非海外に出て、心理的な距離感を縮めていくべきだ。

さて、今回はバンコク市内を自転車でツアーをしてくれるFollow Mewww.followmebiketour.com/)という参加した。普段なら踏み込むことはないと思われるバンコクの下町の路地を通りながら、仏教の寺、かつての税関、数少ない教会等を案内してくれる。自転車のまま渡船に乗り、チャオプラヤー川の反対側に渡ったり、途中の市場や小さな貿易会社の集まる中華街を通り抜けたり、華僑の墓地を訪れたりと、普段の観光では目にすることがないバンコクの一面を目にすることができた。

















最も印象に残ったのは、イタリア人の建築家によって建てられたというかつて税関だった建物。現在はかなり朽ち果て、消防車の脇で消防隊員の寮としてかろうじて使われている。かつてホテルとして再生するという計画があったが頓挫してしまったらしい。こうした歴史的な建物が、保護されずにほったらかしにされているというケースはまだ他にもあるようなので、本格的に保護の動きが始まれば、まだまだ魅力的な観光資産になりうるだろう。













今回はまた、オレゴン大学留学中のタイ人の同級生にも再会。彼女はホテル経営するタイ人の男性と結婚しており、タイ南部に新しいホテルを建設中に、将来のためにバンコクのマリオット系のホテルで修行中とのこと。元々オフィスワークをしていた彼女にしてみれば、深夜勤務もあり、レセプションから始めるホテル業界の仕事が楽なはずはなく、将来のファミリービジネスのため、という彼女の覚悟を見た気がした。

バンコクはいまもホテル建設ラッシュで、ホテルオークラやホリデーインを始め、まだまだ5つ星級のホテルだけでもいくつも建設の予定があるという。Over supplyではないのか、と彼女に聞いてみたけど、そんなことはないらしい。元々欧米人に人気の旅行先であったけれど、新興国からも次々と旅行客が押し寄せ、彼女の働くホテルも稼働率はかなり高いらしい。最近は特にロシアからの旅行客の増加が目立つとのこと。タイの観光関連産業で働く人はたいてい英語の問題はないし、外国人の扱いも慣れている。日本のライバルはここにもいる。世界各国からの観光客の奪い合いに勝ち抜いて行かなければいけないのに、なんとも日本の動きにはもどかしさを感じてしまう。

そういえば自分の一番初めの海外旅行もタイだった。思えばあの時からいつか海外で働いてみたい、なんて思い始めていたような気もする。タイ人、同じ日本人の旅行者、西洋からのバックパッカー等、いろんな人に会って、いろんな新しい発見があった。その後のアメリカ留学も、香港への転職も、海外での修士取得も、原点はあのタイ旅行だったと言えなくもない。旅のスタイルはだいぶ変わったし、余裕もできたけど、今回も相変わらずいろいろと刺激を与えてくれるバンコクだったと思う。

2012年3月24日土曜日

一人キャンパスツアー

今学期は土曜日に午前中しかクラスがない。午前のクラスが終わったところで帰宅してももちろん良いのだけど、朝6時半に起きてわざわざ1時間以上もかけて通学しているので、そのまま帰宅してしまうのも惜しい気がして、またなにより土曜日は腹をくくって勉強の日とルールを決めてしまったほうが誘惑に負けないので、午後は学校の図書館で過ごすことが多い。




図書館の一部は最近改装されたばかり。他の階とは明らかに異なるテイストで椅子やソファも若干おしゃれに。



大判の印刷機や裁断機が用意されており、建築・美術系のプロジェクトにも利用される予定の様子。


飲食可能なスペース。図書館で知り合いに会うとここに駆け込んで少々おしゃべりも。


iMacがずらりと揃ったアップル部屋。隣のWindows部屋より混雑度高し。






予約すればBloombergの端末も利用可。自分はここで初めて体験。Financeの教授がBloombergも使えないままMBAを卒業するな、と・・・・。










学食の様子。このフロアも昨年改装されてかなり快適に。
大学は寮生活の学生が多いので、3食ここで、ということも珍しくない様子。
味は・・・・、改装前とは業者が変わっているようで、良くなったような気もする。










香港らしく中華から洋食、日本食までなんでもあり。とは言っても日本食は期待すると大いに裏切られる。


キャンパス内にはスーパーマーケットも。規模は小さく、品揃えも充実しているとは言えないが生鮮食品も買えるしキャンパス住まいの学生には欠かせない。

ヘアサロンもあり。確か100ドルもせずにカットしてくれたと思う。


マクドナルドは深夜12時まで営業。土曜日の授業前はここでカフェラテとサンドイッチが定番に。
その時間に行くといつも必ず台湾人のクラスメートがおり、数少ないゆっくりと話のできる場に。


かなりキャンパスを下ると立派なグラウンドがある。昼休みに走っている学生やサッカーに興じる同級生も。




バーベキュー施設まで。海に面しており眺めは最高。使ったことはないけれど。
隠れビーチ。


グラウンド脇からキャンパスを望む。手前の黄色い建物の中にはインドアプールも。
ここから眺めるとキャンパスが丘の上に建てられていることがよくわかる。
歩いて登ると正門までかなりの時間がかかる。


キャンパス内にはいくつかテニスコートがある。ここは海沿いのグラウンドに近いコート。ややアクセスに難有り。

夏にはオープンしている屋外プール。学生は無料。




土曜日の夜8時近く。まだまだ学生が数多く勉強している。
先日日曜日に図書館に来る機会があったが、やはり多くの学生がいた。
全ての学生が、ということではないのだとは思うが、一般的には香港の学生は勤勉。
そして中国からの留学生は更に勤勉らしい。

もちろん多くの時間を割いて何を勉強するのかも大事だと思うけれど、
何かを突き詰めるための姿勢、態度、コミットメントをこのステージで経験しておくことは非常に大事なのかもしれない。
社会人になってからも知識は直接生きなくても打ち込む姿勢はどこでも通じる。
日本の学生はどうなのだろうか、今。



 


 


トイレの中に、ラップトップを置くためのホルダーが。
盗難を避けるためにラップトップ抱えてトイレに駆け込むのか。
ここに忘れていく人もいるに違いない。


 

2012年2月29日水曜日

THE CONNECTED HARBOUR

日本に帰ると意外と困るのが、無料Wi Fiスポットを探すこと。スタバや他にカフェに言っても、DocomoやSoftbankと契約していれば使えるのですが・・・・と言われることが多い。香港にいると四六時中インターネットにつながった状態なので、いきなり切り離されるといろいろと不便であり不安になる。


ちょっと前にBCGとGoogle共同プロジェクトで、香港のインターネット事情に関するレポートが発行されたことがあり、確かHKUSTからのアナウンスもあったので、発行に合わせて開催されたパネルディスカッションを見学に行ったことがあった。






レポートによると、インフラの整備度やアクセスについては、香港は韓国や日本に遅れをとっているのだけど、個人的な体験からは、海外からの訪問客にとってのインフラの利用しやすさという観点から見ると、香港は日本とは比べ物にならないほど進んでいると思われる。地下鉄の駅、バス、エアポートエクスプレス、マクドナルド、スターバックス等、いたるところでWi Fiが提供されており、プレペイドのサービスに申し込めば、街中に張り巡らされているPCCWのWi Fiサービスが利用可能だ。図書館などの公共施設、公園、スポーツグラウンド、そしてなぜか生鮮食品を扱うマーケット、街市でも政府の無料Wi Fiが利用可能だ。Wi Fiのカバー率では香港は圧倒的に日本より大きいことは間違いなく、このあたりは小さな行政区の大きな政府の本領発揮というところか。

おまけに、香港ではiPhoneのテザリング機能が使えるので、データ無制限プラン(それでも月額3000円もしない)に入っていれば、現実的には24時間Wi Fi環境下にあると言っても過言ではない。そんなインターネット中毒に非常に近いところまで行ってしまった人間が確実に増えている中、インターネット環境、特にWi Fi環境が整っているかどうかは、都市の競争力の源になっていくのではないかとふと思った。特に香港のように流動人口の多いところは、外部から来る人間にやさしいインフラ作りは欠かせないと思われる。

冒頭のレポートにもあるように、インターネットの産み出すお金は非常に大きなものになってきている。インターネットにさえつながっていれば、より充実した情報収集ができてビジネスのディールにつながるっていたのに。インターネットにつながってさえいれば、探しているお土産が見つかって買うことができたのに。インターネットにつながってさえいれば・・・・・。いくらでも例はあげられると思う。そういう意味で、ビジネスセンターとしての位置づけを固めていくために、インターネットインフラの構築は重要なテーマであり、その点香港は実にうまいことやっているのではないかなあと思う。東京は、どうだろう。

2012年2月24日金曜日

Same bed, different dream

今学期、水曜日に夜に受講しているのが、「Invetment and Finance in China」というクラス。教授はLaurence Franklin(http://www.bm.ust.hk/fina/staff
/lcfran.html)といい、通称Larry、銀行家であり、CPAであり、弁護士であり、投資家であり、と多才な方で、30年に渡り中国ビジネスに関わってきている。
HKUSTのMBAでも1、2を争う人気教授の一人なのだ。去年の秋ごろ、この教授がHKUSTを離れる、みたいな噂があり、ちょっとした騒ぎにもなったものだ。

さて、これまでのところ、中国の銀行システムのブリーフィングを行なった後、中国での省レベルの債権の発行や、台湾やアメリカの会社の中国でのFDIプロジェクトのケーススタディを中心に授業が進んでいる。全てのケースはLarryが自分で手がけたプロジェクトで、ケースの資料も実際に発行された債権や当時のデータ、メディアに取り上げられた記事のコピー等で、ホンモノならではのダイナミックさが伝わってくる。Investment and Financeと言っても、テクニカルなところにはあまり踏み込まず、踏み込まれるとついていけないのだけど、どちらかと言うと、投資環境、リレーションシップ、戦略的観点からの話題が多い。

その中でも教授が繰り返して言っているのが、プレイヤーのスコアカードを知るべし、ということ。つまり、彼らは何を達成することで評価される人々なのか、何を実現することで得点を稼いでいるのか。例えば昨晩のケースの例で言えば、UKの化学製品の会社が中国に進出する時に、仮に環境省のお偉いさんに、「あそこの台湾企業は環境に悪い工場を運営しているので行政指導をしてくれ」と言っても話は通じない。なぜならこのお偉いさんのスコアカードには、環境を守るということに加えて、投資を誘致するということも含まれているから。まだ1ドルも中国に落としていない英国の会社は、すでに投資をしてくれている違法工場より重要ではない。結局結論を先延ばしされるのが関の山ということ。正論を言っているかどうかは問題ではない。

国有企業は、立場によってはプロフィットより雇用を優先する。失業率の悪化は社会の不安定につながるので、中国では絶対悪と捉えられる。赤字垂れ流しでも彼らのスコアカードにはなんの影響もなく、雇用の確保が絶対優先されることもある。JVの場合は、短期のリターンが至上命令なのか、テクノロジーの習得が第一目標なのか、はたまた外資系企業との関係があるというリレーション作りだけが目的だったりもする。銀行だって、信頼の置ける大企業だったら資金を貸してくれるかというとそうでもない。政府から義務として割り当てられた国有企業への貸付額の達成が優先されれば、どんなに優秀な民間企業だって資金へのアクセスは限られてしまう。

相手のベネフィット、インセンティブを念頭に置いて、というのはどの国のビジネスでも必要なことなのだろうけど、中国でのその基準が日本や欧米と大きく異なることがあるということ。逆に相手のスコアカードを把握していれば、大どんでん返しだって可能だということになる。「Same bed, different dream」とLarryも言っていたけれど、同床の相手が同じ夢を見ているかどうか、その確認が重要だということを改めて認識させられた。

昨日は、フルタイムの日本人学生の方が、通常出席している午前の授業ではなく、夜の授業に来られていたので、授業の後、10時半を回っていたけど、蘭桂坊まで足を伸ばして軽く食事。彼は、「まさかアメリカ人から中国ビジネスを学ぶとは思わなかった。」と言っていたのだけど、その時に思い出したのが、この授業の最初のクラス。教授が発したのが「自分は中国ビジネスで外国人が犯すと思われる誤ちを全て犯して来た。」という言葉。それを聞いた時に、なるほど、これが非中国人から中国ビジネスを学ぶメリットだ、とストンと腑に落ちた気がした。それもあって、もともと登録していなかったこの授業を、科目追加ぎりぎりまで粘って粘ってMBAオフィスとも交渉して、学生枠を広げてもらって聴講することができた。なので、ワークロードが多いことで有名なこのクラスだけど、また2ヶ月弱、なんとかついていけるようにがんばろうと思う。