2013年1月3日木曜日

Kindleストアのオープンは海外在住者にとっては一大事、ではなかった件


ちょっと前のポストで触れたように、日本のKindleストアのオープンに期待を持っていたのだけど、数週間試してみて、かなり雲行きが怪しい、というか、個人的な運用の観点からはないよりマシというレベルの手応え、割り切れないがっかり感を感じている。

そもそもKindleストアに大きな期待を寄せていたのは、これまでのように帰国の度に重たい思いをして本や雑誌を香港に運ぶ必要がなくなるかもしれない、という淡い夢を抱いていたからであって、利用の前提として、香港にいる間に日本の本を読みたい時にすぐダウンロードして読むことができるという状況を想定してした。順調な滑り出しにすっかり気をよくしていたけれど、そもそもその前提が甘かった。

Kindleストアで電子ブックのダウンロード購入を始めて2週間程の間に数冊購入し、1クリックで書籍が手元に届く快感に浸っていたある日、いつもの様に"1クリックで購入"ボタンを押したところで見慣れぬメッセージが現れた。

"Amazonアカウントにご登録の国とは別の国から、商品の注文が試みられました。

お客様は現在国外にいらっしゃいますか?
Kindle本の注文手続きを続けるには、カスタマーサービスにお問い合わせくださいしてください。
最近他の国に引っ越しましたか?
Amazonアカウントを簡単にお住まいの国を変更するできます。"

あまりにも順調すぎてすっかり気を抜いていたけれど、こんなところに落とし穴が待っていた。これまで紙媒体の本は何十冊と香港からAmazonで購入していたけれど、こんなメッセージは見たことがなかった。Kindle本(と呼ぶらしい)に限っては海外からの購入はできないということか。しかもなんだか日本語が変だ。"お問い合わせくださいしてください"とか"国を変更するできます"など、プルーフリーディングもせずに実装してしまったエラーメッセージのようだ。

引っ越したのは最近ではないが、確かに国外にいる。メッセージの最後を読むと、アカウントの居住国情報を変更すると問題解決するともとれるが、実は居住国を変えてしまうと日本のAmazonでKindle本が買えなくなってしまう。これは実際に居住国情報を変更するページの目立たないリンク先にこっそりと下記のように明記している。

"日本から国外に転居される場合、住所を変更すると、Amazon.co.jp のKindleストアでのショッピングができなくなりますので、ご注意ください。" 

だいたいショッピングサイトなのにショッピングができなくなるような設定を、軽々しく"変更するできます”なんて言わないでいただきたいものだ。

そこで、まずはカスタマーサービスに問い合わせをしてみることにした。なにやら海外在住ということが問題らしいので、ここはひとまず、長期出張中に購入を試みたところ問題あり、という趣旨で問い合わせをしてみる。

すると下記のような返信が返ってきた。

"Amazon.co.jpで販売されているKindleコンテンツについては、出版者または権利者により地域制限が設定されているため、日本国内に在住のお客様のみご注文いただくことができます。

しかしながら、お客様は長期出張中という事でしたので、海外からの購入制限をいったん解除できるか調査させていただきます。

つきましては、お客様の長期出張の期間を教えていただきたく存じますので、お手数ですが、再度カスタマーサービスへご連絡くださいますようお願いいたします。"

なぜ紙媒体であれば海外発送できるのに電子ブックだと国内のみなのかさっぱりわからないし、地域制限をすることで出版社または権利者の何の権利が保護されるのはも判然としない。一方で、長期出張の期間を聞かれてくるとは全く予想していなかったが、状況に応じて個別に制限を外すことは技術的には可能らしい、ということは判明した。

そしてメールの最後には下記のようなメッセージが。


"Amazon.co.jp は、お客様からのご意見により、地球上で最もお客様を大切にする会社を目指しています。”

地球上で最も、ときた。これは期待を持っても良いのではないだろうか。ちょうど家族へのクリスマスプレゼント用に注文していたKindle Fire HDも実家に届いた。こんなロイヤルカスタマーをAmazonが見捨てるはずがない、と信じて。

続く。。。。。