2012年12月5日水曜日

ランタオ島の旅〜大澳文物酒店〜

自分の住んでいるところは東涌という場所で、香港でもはずれのランタオ島の端っこの方、香港国際空港の近くにあるのだけれど、ここから更に30分ほどバスに乗ると、本当の端っこである大澳という村に着く。

この小さな漁村に、かつて水上警察だった建物が改築されて大澳文物酒店というホテルとレストランになっていると聞いたので、ちょっと前の週末に訪ねてみた。


大きな地図で見る

高床式の住居。軒先から船に乗れるような作りになっている。かつての大火事で多くの建物が消失し、その後政府のサポートで再建された住居はどれも同じスタイルで、ベニヤを銀色のペンキで塗ったような微妙な作り。
漁業と観光が主要産業。ピンクドルフィンが見えるスポットへの小型モーターボートのツアーがあったりもして、週末はかなりの人でごったがえす。


バス停からも更に10分以上歩く。香港の本当に端っこの端っこ。

1902年に立てられ、96年まで現役で活躍。2009年に香港の二級歴史建築物に指定された。




レストラン内に知人のアーティストの作品を発見。最近注目を浴び始めている様子。

開放的なガラス屋根のレストラン「Lookout(見張り台)」。





広東語ではあるけれど、建物のかつての様子も見られるビデオを発見





一泊1300ドルぐらいからとのこと。海外からの観光客が泊まるにはやや場所に難があるので、香港人の週末の気分転換に、というようなニーズを狙っているのかもしれない。香港もこのところ懐古主義というか、歴史的建築物の保管や、集體回憶と呼ばれる多くの人が記憶を共有するような場所や出来事の再評価が進んでいる(こんなFacebookページまであった。Old Hong Kong Lovers 香港集體回憶)。一時のブームに終わらずに、貴重な資産をうまく活用していって欲しい。

我が家より1時間もしない場所なので、泊まることはないように思うけれど、またお茶でもしに行って、その存続に貢献していきたい。







2012年11月22日木曜日

開封の儀 2

iPad miniを購入。発送はウェブでオーダーしてから2週間後ということだったけど、1週間経ったところでシッピング済みというお知らせがメールで届いた。ウェブで配達状況をチェックすると、既に香港に届いているということで、翌日には見事にオフィスに到着。当初の予告より早く届くというのは嬉しくはあれ全く迷惑ではないので、カスタマーエクスペリエンスという点では一気に1000点ぐらいあげたくなるほど得点が高い。というのを見越して、1週間で届きそうなのに、わざと最初は2週間と言っているのではないかと勘ぐりたくなるほど。

アップル製品はパッケージの美しさでも有名だけれど、デリバリーで届く場合の外装は味気ない段ボール箱。発送元はFutaihuaとなっているけど、調べてみるとFoxconnグループの富泰華工業という企業が深センにあったので、自分のminiはそこで作られたようだ。

手軽だし、ebookも読みやすく、PDFやパワポの資料もストレスなく読めるし、個人的には気に入っているのだけど、早くも来年3月にはRetina対応のminiが出るとか出ないとか。









2012年11月14日水曜日

開封の儀

今週木曜日に晴れて卒業式を迎える。これで正式にMBAも終了、現役学生ではなくAlumniとなってしまう。ほっとしたような、寂しいような、精一杯頑張ったような、まだまだやれたような、複雑な気持ちが入り乱れる中、終わってしまったというよりは、一区切りついただけ、次のステップへの入り口に立っただけではないかという感覚の方が日に日に強くなる。たぶんそうなのだ、終わったなんて感傷に浸っている暇はあまりなくって、これから先をもっともっと意義ある有益な時間にしていかなければいけないと思う今日この頃。

さて、そんな中、オンラインで注文していた卒業式キットが届いた。香港の大学の卒業式は、学士でも修士でも、欧米のようにガウンに角帽で臨む。多少くたびれて届いた卒業キットボックスを開けると、当日のスケジュールや式会場の案内とともに、ガウン、角帽、そしてギフトのネクタイが入っていた。このガウンにはしっかりとAcademic Regaliaなんてかっこいい名前がついていることも今回初めて知った。ちなみにガウンはレンタルだとHK$130、購入するとHK$880なので迷わずレンタルを選択。一ヶ月ほど借りることができるので、その間に多くのクラスメートは週末を利用して家族や友人とキャンパスを訪れ記念撮影を行う。気の早いクラスメートは先々週あたりから撮影会が始まり、徐々にFBにアップされ始めている。自分はいまいち着方もよくわからないので、そうしたFB上の写真を参考に勉強中。














2012年10月25日木曜日

Kindleストアのオープンは海外在住者にとっては一大事(かもしれない)


iPhone miniが発表された直後にAmazonからも日本でKindleが発売開始となったけれど、端末よりもKindleストアのオープンの方が個人的に興味あり、本日25日オープンと同時に香港からの購入を試してみた。



海外在住者にとって、日本書籍の入手は常に悩みの種である。英語や中国語の文書にどんなに触れても、日本語の消化能力には到底及ばないわけで、情報の処理効率だけ考えると日本語のソースが一番が便利。

今でも、個人的には英語よりも日本語を読むほうが軽く2倍は早い。英語は読んでもその後なかなか頭に残らなかったりするので、消化率という意味でも2倍ぐらい違うし、日本語だとあんなにすらすら読めて頭にも残るのに、英語だとなんで、と自己嫌悪に陥る精神的なダメージもあるので、日本語書籍は恐らく健康的にも数倍良い。

というわけで、できる限り英語や中国語に触れようとしている反面、少ない時間で効率的にインプットしたい時や、リラックスしたい時にはどうしても日本語の活字に飢えるという感覚が残る。

香港の日本語書店で購入すると日本価格の1.5倍から2倍ぐらいしたりするので、日本に帰るタイミングを見計らってAmazonで注文、実家でピックアップして、重たい思いをして香港まで持って帰ってきていた。Amazonでも海外配達もしてくれるのだけど、一点あたり300円も手数料がかかるのでコスト的にはとても見合わない。

さて、そんな中、もしAmazonで日本語書籍がダウンロードできるようになるのだとしたら、これは海外在住者にとっては相当大きなインパクトがある。AmazonのKindleストアのサイトを覗いてみても、Q&Aでかなり海外在住者が盛り上がっている。曰く、海外からでは購入した書籍がダウンロードできない、そもそもサイトにアクセスできないとか、Kindleは海外に持っていくと使えないとか、とにかく混乱した情報が飛び交っているので、ダメ元でとりあえずやってみることにする。

もちろんまだKindleの端末は手元にないので、iPhoneにKindleのアプリをインストール。日本版のKindleアプリがあるのかと思ったけれど、どうやらアプリ自体は既存の物と変わらない様子。ユーザー名とパスワードの欄に自分のAmazon Japanのアカウント情報を入力すると簡単にサインインすることができた。その後Amazonのウェブ上で電子書籍を購入したのだけど、この時も特に海外在住だからという制限はなく、香港で発行されているAmerican Expressのクレジットカードも問題なく使えた。購入後、手元のiPhoneのアプリを立ち上げると、自動的にダウンロードが始まり、意外なほどあっさりと無事に読むことができた。

実は今回購入したのは、テルマエ・ロマエというコミック。情報の処理効率とか言いながら、最初に買ったのが漫画というのは情けないような気もするけれど、前回日本に行った時に、えらい宣伝されていたのを思い出したのと、ウェブ版だと200円ちょっとと安かったので、もし万が一購入後にダウンロードができなくてももったいなくない、ということで買ってみた。iPhoneで活字を長く読むのはまだかなりしんどいので、そういう意味では漫画はスマートフォン・小型タブレットと非常に親和性が高いと思う。ただ、後からチェックするとこのシリーズの二巻目以降は400円以上していた。なるほど、そうきたか、と常套手段に引っかかってしまいやや凹む。

iPhone 5 を売ってみた

先日Smartoneから入手したiPhone 5だけど、いろいろと考えた末、結局は売却することにした。

ということで、早速先日下見に行った先達廣場に行き、数点に買取値段の確認を行う。
どの店でも、前回よりも数百ドル高い値段を提示してくる。
ここ最近、Foxconnでのストライキやプロダクションの遅れのニュースがいくつか飛び交っていたので、
中国、タイ等、まだ公式発売されていない市場への投入が遅れるのではないか、という憶測から、
iPhone 5の買取価格が上がってきているのかもしれない。

自分が売却しようとしていたのは白の16Gで、だいたいどの店も買取の提示金額はHK$8300ぐらいだったのだけど、一件だけHK$8700を提示してきたお店があったので、この辺が上限かな、と思っていたら、それは残念ながら勘違いで、実はSelling Priceだった。
と言うことは、香港でさばく限りは、店のマージンはHK$400ぐらいに過ぎないということになる。
今回実は何件か、買取自体を断るお店もあった。
昨今の中国へのiPhone【密輸】の取り締まりも厳しさを増しているので、大した商売にはならない、と思っているお店も多いのかもしれない。

結局HK$8350を提示してきたお店に売却することにする。
Smartoneで受け取った時に、activateしてしまっていたので、その分でHK$50引かれてしまった。
ちなみに、数日後に黒の32Gを売却した友人はHK$8400だったとのこと。
やはり白の16Gと黒の32Gではほとんど値段が変わらない。

さて、アップルのウェブサイトでのiPhone 5の予約は、その後面倒くさくなってしていないけど、予約を試みている周りの知人からも、予約できたという話は残念ながらまだ聞いたことがない。

2012年10月7日日曜日

美女大学

この世には香港人の美女が多いと言われている大学があるという。残念ながら我が香港科技大学ではなく、その大学は海を遥か渡ったバンクーバーにある。

先日MBAの同級生とテニスをしに行った。男ばかり4名だったのだけど、その内二人は今年パパになりたてで、テニスの後のお昼ご飯の時には子育ての話題になりがちだった。二人とも早速香港の厳しい子育て環境に戦々恐々としており、早くPlayGroup(幼稚園前の子供の勉強塾のようなもの。しつけや英語、ダンスや音楽を教えてくれるらしい。)に入れた方が幼稚園の入試に有利になるとか、幼稚園に行かないと良い小学校に入れないとか、いろいろとプレッシャーを感じているらしい。結局のところ、最終的な目標は良い大学に入り、良い仕事(銀行、弁護士、医者が3大人気職業)に就くことで、この辺りは日本なんかよりよっぽど現実的というか、あからさま過ぎて引いてしまうぐらいだ。香港では、スポーツ選手になりたいとか、芸術家になりたいなんて夢は追いかけられない。もともと香港には起業家精神の溢れる街という印象があったのだけど、現在では起業家も必ずしも受けは良くない。見た目が良かったり、野球がうまい奴よりも、お金持ちの方が美人の奥さんをもらえる土地なのだ。

さて、友人の一人はカナダで大学を出ており、カナダの市民権を持っている。なので、香港で良い大学に行けないのだったら、カナダで行けばいいじゃないか、という話になって、いやいや、それだったらUKの方がいいなんて話にもなったんだけど、彼がカナダで通っていた学校がUniversity of British Columbia、またの名をUniversity of Beautiful Chicksという。ようするに、美女大学だ。

香港人で海外に留学する人は、だいたい3パターンぐらいに分類できて、まずは、香港大学ですら物足りないぐらい賢い子達で、ハーバード、MIT、アイビーリーグ、ケンブリッジ、オックスフォードなんかに行く。次が、香港でトップスクールに入れなかったんだけど、専門学校に行くよりは海外の大学に活路を見出すパターン。アメリカやオーストラリアの公立/州立大学に多いように思われる。最後のグループが、香港でインターなんかに通っているようなお金持ちの子女達で、USC等のアメリカ私立大学、州立でもかなりレベルの高いUC系や前述のカナダのUBCに多い。

自分がオレゴンに留学していた頃、友人の香港人がいつもUBCのことを話題にしていたのを思い出した。University of Oregonにも香港人は多くいたけど、それでも数十人という規模。それに比べてUBCは、学部によっては半分ぐらいが香港人。特にBAは香港人率が非常に高かったとのこと。そして、彼らが興奮して語っていたのは、UBCには香港人の可愛い子達がたくさんいる、ということだった。当時の自分は香港とは全く関わりがなかったので、バンクーバーに香港人が何万人も住んでいるとか、お金持ちの家のお嬢様が通っている大学があるとか知らなかったのだけど、彼らにしてみれば、同じ香港という土地から海外に来ているのに、片やオレゴンの片田舎、片やカナダの国際都市バンクーバーと、憧れに似たような感情を抱いていたのかもしれない。

さて、自分は、じゃ、なんでUBCはただ単に香港人が多いのではなく、"可愛い"香港人が多いんだ、と突っ込む。するとカナダで大学に行った彼は、それは金持ちが多いからだよ、と返す。納得がいかない。なんで金持ちの子だと可愛いんだ、と聞くと、当然じゃないかという風に、それはお母さんが美人だからに決まっているじゃないか、と言われた。

あー、なるほど。なんだかストンと腑に落ちた。香港の一番の美人達はミス香港なんかくだらないテレビ番組には出ないし、ミス香港が香港で一番の美女だなんて思っている純な奴は香港にはいない。香港一の美人達はテレビに露出なんかせずに、決まっていつの間にか大富豪の息子のお嫁さんになっているのだ。その娘達が、まあ旦那次第というところはあるにしても、美人になる確率は通常より高いのはわからないでもない。

というわけで、未だ訪れたことはないけれど、ある程度論理的裏付けのある美人大学というのがこの世には存在していそうだ。自分もオレゴンなんかでなくバンクーバーに行っときゃ良かった、と相当遅いけれど今更ながら思った。

今から子供の大学のことで悩んでいる友人達が哀れで、日本の大学はいいぞ、少子化だし、外国人なら奨学金もらえてただで学校通えるぞ、って教えてあげたら、日本にだけは送りたくない、別の友人に言われた。あんな変態ばかりの国に大事な娘は送れない、と彼は言う。彼は日系会社に勤めているのだけど、会社内で日本人上司によるアシスタントへのセクハラがあったばかりなのだと言う。こんなことで日本の評判を落としてどうするのだ、となんだか情けなくなってしまった。留学生30万人誘致計画なんてのがあったと思うけど、文部科学省も、こんなことで日本留学を拒否する人たちがいるなんて、夢にも思っていないだろう。



















悩ましのiPhone 5

香港の旺角に先達廣場という有名なビルがある。何が有名かと言うと、2坪ほどの大きさの無数の携帯電話・カメラ関連の小売店が入っており、端末、ケース、アクセサリー、電池、ステッカー等、携帯がらみの製品はここにくればほぼ揃う携帯電話ビルとして有名なのだ。

普段から結構混み合ってはいるのだけど、昨日たまたま近くに行ったので立ち寄ってみると、いつもにも増して多くの人で賑わっていた。ここは今中古のiPhone 5の取引市場として活況を呈しているのだった。中古と言っても、この時期は買ったばかりの真新しいiPhone 5をここのお店に持ち込む人がほとんどだ。買った値段より高く買い取ってくれるので、あっという間に3000ドル、4000ドルのお小遣い稼ぎができてしまう。

先達廣場の周りにも買い取りに精を出す人々が。
買い取り競合他社が多い中、ダンボールや紙を使って必死のアピール。売るほうにとっては唯一の要素は価格なんだけどね。



買い取り価格は表示していないお店が多かったが、中にはお店の中にこっそりとリストが貼ってあったり、堂々と明記して張り出しているお店もある。何店舗かチェックしてみると、大体16Gの黒が7500ドル、白が8000ドル近く、32Gだと黒で7800ドル前後、白だと8000ドルを越えるぐらい、64Gは白でも黒でも8600ドルというところが多かった。なぜか白のiPhoneは黒より買い取り価格が高く、そのため16Gの白が32Gの黒より高値で取引されるという逆転現象が起こっている。自分としては色は機にならないけど、転売目的で買うなら間違いなく白がよい。




ここで転売されたiPhone 5はほとんどが中国に行くのかと思いきや、けっこうタイにも流れているらしい、というのはタイ人の友人の情報。両国ではまだiPhone 5が公式発売されていないから、発売開始前の今が売り時なのは間違いない。

とは言っても、香港でだってiPhone 5を入手するのは決して楽ではない。Apple Storeにいきなり行ったってもちろん在庫ないので売ってくれないので、Appleのウェブサイトで予約をしていかなければならない。ところがこの予約もなかなか一筋縄ではいかない。毎日朝9時から予約開始で、その日のうちに予約確認メールがこなければ、仕切りなおしになってしまう。だから当たらない人は毎日毎日朝9時に予約作業を続けなければいけない。更に、予約に成功しても翌日指定された時間に引き取りに行かなければ自動的にキャンセルされてしまうという条件付。なので、普通に仕事をしている人にとっては結構厳しい。実は、自分が初めてトライした日、奇跡的にも予約に成功していたのだけど、まず、翌日上海に行く予定だったので、引き取りに行くことができずに、泣く泣くあきらめた経緯だある。その時は、あまりにも簡単に予約できてしまったことで、ありがたさを理解していなかったというのもある。予約は二端末分してしていたので、1端末あたり3000ドルのお小遣い稼ぎになると考えると、上海旅行のコストより大きいので、いわゆる完璧な経済人であれば旅行をキャンセルして翌日iPhone 5を引き取りに行き、すぐ転売というのが正しい行動だったのかもしれないけれど、そこは生身の人間なので、まあ、またすぐ予約できるに違いない、と思い、あっさりとあきらめてしまった。ま、旅行の効用がコストより大きいと思うから行くのだし。しかし、その後自分自身が予約に成功したことはなく、予約に成功したという話を聞くことは皆無だ。

もう永遠に予約などできないのではないかと思っていたら、自分の使っている携帯キャリアのSmartoneからメールが来た。iPhone 5が用意できたので、引き取りにくるように、とのこと。すっかり忘れていたが、香港でもApple Store以外に、携帯電話のキャリアでもiPhone 5を買うことができるので、随分前に一応予約だけ入れていた。2年間の契約付になるので、その場合はプランBを発動し、自分は晴れてiPhone 5 ユーザーになり、古いiPhone 4を売り払うことになる。ついこないだまで5000ドル前後で取引されていたiPhone 4もiPhone 5の登場前から大幅な値崩れを起こし、現在は2000ドルぐらい、という話も聞く。

そういえばiPad miniもそろそろ、という噂も聞くので、ここは限られた資金のアロケーションにも気を配らなければいけない。早くスマートフォンの10個や20個ぐらい、悩まずに買えるようになりたいものだ。






2012年9月26日水曜日

週末バイヤー体験@義烏


反日のデモがやや落ち着き始めた先週末、縁あって知人の出張に同行することになり、上海、および義烏まで出かけることになった。

義烏は、雑貨、家具の生産で有名な浙江省の街で、100円ショップで得られている製品はほとんどここで買い付けされている、と言われているほどで、雑貨、家具、小型家電、アクセサリー等の生産販売社がブースを構える巨大な市場が存在する。

今回お伴させてもらった香港人は、革製品のデザイン・製造販売の傍ら、小売店舗のディスプレーに利用される小物の手配をする会社に勤めており、クリスマス商戦に向けたある大手小売企業のクリスマスツリーの生産手配・管理のために今回義烏に来ることになった。元々義烏には興味を持っていたので行きたいなあみたいなことを言っていたら、この会社のオーナーとも仲良くしている関係から、渡航費まで出してもらって同行することになった。

上海虹橋駅から義烏へ。チケット売り場も多くの人で賑わう。

とにかく広い。贅沢なスペースの使い方。香港ではありえない。

人、人、人。来週の国慶節の時もさらに多くの人が訪れるに違いない。

手前の小さいのはサンプル。お土産にいただくことに。


この会社は別にクリスマスツリーを専門にやっているわけではないので、オーダーが入った後から淘宝やコネクションを利用して、生産してくれる工場を探し出した。意外とシンプルそうな製品だと思ったのだけど、工場によって対応できる品質や信頼度はかなりばらつくようで、結局大丈夫そうだと思えた工場は一つしか見つからなかったとのこと。

恐らくクリスマスツリーを作っている会社は何百とあるだろうし、どちらかというとコモディティに近い製品ではあると思ったのだけど淘宝等を利用して会社のプロモーションをして香港の会社に見つけてもらい、期待されている品質を提供し、コミュニケーションを通して信頼を勝ち取る、縁と言ったらそれまでだけど、工場経営者の地道な努力が何百万円規模のビジネスになったのだから、どんな製品でも違いを生み出すことは可能なのだなあ、と改めて思った。

新しいアパートも次々と建てられており、上海から2時間半も電車に乗って来る必要があるにも関わらず、日本、韓国、中東、アフリカ、欧米から多くのバイヤーが来てはいたけれど、現地の人たちの話では、やはり経済停滞の影響はあり、多くの工場が倒産している状況とのこと。そんな状況なので、今回生産を担当している工場にとっても、この香港からのオーダーは渡りに船のような状況であったらしく、非常に甲斐甲斐しく送迎の手配や工場案内、市場の案内までしてくれて、挙げ句の果てには、お昼の時に出てきたリンゴ酢が美味しいですね、どこで買えるのでしょうか、と言った一言で、帰るまでに12本も手配してスーツケースに詰めて用意してくれていた。実は今回は自分は、その香港人の会社の人間ということになっていたので、自分の余計な一言でそこまでさせてしまって後悔している。が、同時に、計らずも中国での商売のリアルな現場を少しだけ感じることもできた。食事も二回ほどご馳走になったけど、こちらも月餅を持って行ったり、誕生予定のお子さんのお祝い金を包んだり、となんだかお互いに贈り物のし合いで、差し引きゼロぐらいなのだけど、きっとこういうプロセスも大事なんだろう。

頂き物のリンゴ酢。河南省の製品。



市場を見学に行った時、ブースの前に中国の国旗が掲げられているブースがあり、案内してもらった人の話では、ここ数日このようなブースが増えたということで、日本人の顧客お断り、というようなメッセージがあるとのことだった。今回直接的には何も被害を受けたりはしなかったけれど、人々の読んでいる新聞やPC・スマートフォンで覗き込んでいるウェブサイト、街頭の電光掲示板に流れるニュース、そして、この国旗のような無言のメッセージで等、反日の雰囲気を感じることもあった。表立ったネガティブな感情の発露はないものの、ほとんどの人にとって少なくとも対日感情はニュートラル以下、好意を感じるということはないだろうな、というのが率直な感想だ。
細長い通路が延々と続く。全部のセクションを見て回るには一週間かかるとも二週間かかるとも言われているそう。



老若男女、スマートフォンは基本。iPhone(と思われる)物も子供のおもちゃぐらいの扱い。

中国の国旗が掲げられている店は日本人お断りという意味らしい。

釣魚島は中国の物、というメッセージが電光掲示板に。




2012年4月26日木曜日

キャセイのパイロットはいくら稼いでいるのか

仕事柄いろいろと人事や労務関連の情報に触れることが多い。業界では大手企業をベンチマークとして、採用動向、給与水準や昇給率なんかが決められることが多いのだけど、エアラインのキャセイパシフィックはそんなベンチマーク企業の一つだ。

ここ最近の新聞報道等を見ていると、なんとなく業界の賃金構造が見えてきて面白い。

まず、3月7日のSouth China Morning Postでキャセイがグラウンドスタッフの採用を増やすという記事の中で、彼らのスターティングサラリーがだいたいHK$11,000~HK$12,000だとされている。HK$11,000というと、香港大学卒業の新卒の学生よりやや良いぐらいで、統計局の調査によると香港全体のサラリーの中央値とされている。

続いて3月11日の明報によると、同じくキャセイが1000人のフライトアテンダントを採用するという記事の中で、初任給としてHK$16,000がオファーされる、とある。エアライン勤務だといろいろと手当があるのではないかと思ったのだけど、この数字は全ての手当を含んだ数字だとのこと。HK$16,000だと香港で一人暮らしをするにはかなり厳しい。外国人スタッフの場合は恐らく住居等の手当が別途出ているのではないかと推測できる。

最後に、4月24日のApple Daily他で、キャセイがパイロットの採用を行う予定、との記事が掲載されていた。パイロットになるためには大学卒である必要はなく、日本で言う高校や専門学校にあたるレベルの教育を修了しており、英語が流暢であることが条件とのこと。採用されると、オーストラリアのアデレードで14ヶ月の研修があり、セカンドオフィサーとしての選抜に臨むことになる。研修後のサラリーと手当を合わせると、月給はHK$48,000になる。

ただ、趣味でやっているサッカーのチームメートに、キャセイとドラゴン航空のパイロットが一名ずついる。冗談半分で、きっと10年後はお前ら仕事ないよ、って言っている。雇用の確保さえ気にしなければ、自動化できる職業は世の中にごまんとある。エアラインだって、飛行機の操縦はほぼ自動化されていると言われており、最近起こった事故のほとんどは人的要因であり、人が運行に関わることで危険度が上がっているのではないかという矛盾も指摘されている。10年後は飛行機に乗り込むパイロットなんていなくなっちゃって、地上からモニタを見ているだけになっているかもしれない、と本気で思う。

とは言いつつ、いくらテクノロジーが発展しても、労組がここまで強い業界でそう簡単に仕事はなくならないだろうとも思う。日本と同じで、香港でもエアラインの労組は特に強力だ。コスト、テクノロジー、パワーが複雑に影響し合い、なかなか効率の論理だけでは予想がし難い。

最後に一つ、本日4月26日のApple Dailyから、アメリカーのリサーチ機関によると、一番幸せを感じるのは月給HK$32,000をもらっている人、というニュース。このあたりの給与だと、丁度ワークライフバランスをとることが可能だということのようだ。これより下だと経済的な負担が大きく、これより上だと、労働時間が長くなる傾向があるとのこと。確かに個人のサラリーとして5万も6万ももらっている人は、家族を顧みずに働いている人も多いし、2万ぐらいだとマイホームとは一生縁がないかもしれない。3万を越えると、マネジャー職ではあるものの経営を担うという程ではなく、世帯収入で5万から6万程度になり、余裕というほどではないにしても、子供を育て、ローンを組んで自宅も購入でき、年に2回ぐらいは海外旅行に行ける、というレベルに達するのかもしれない。


2012年4月13日金曜日

バンコクへGO!

先週のイースターの休暇を利用して、久しぶりにタイに行ってきた。
香港からタイは日本に帰るより近く、3時間もかからない。この時期は大量の香港人がタイに向かうので、飛行機は満席に近く、知人でも何名もバンコクやプーケットに出かけた人間がいた。

一緒に行った香港人は既に何回もバンコクを訪れており、最初に行ったのは高校生の時に社会人一年目の姉と行ったとのこと。タイ、台湾あたりは、香港人にとっては週末に気軽に出かけられる目的地で、東京に住む人にとっての伊豆や草津とたいして距離感は変わらない。香港内にそれほど出かける場所がない、ということもあるけれど、こうやって若い内から海外の文化に触れる機会を得ているとも言えるのだなあ、とふと思う。日本もようやく格安航空の普及で上海や韓国は気軽に行けるようになってきている様子。若いうちから是非海外に出て、心理的な距離感を縮めていくべきだ。

さて、今回はバンコク市内を自転車でツアーをしてくれるFollow Mewww.followmebiketour.com/)という参加した。普段なら踏み込むことはないと思われるバンコクの下町の路地を通りながら、仏教の寺、かつての税関、数少ない教会等を案内してくれる。自転車のまま渡船に乗り、チャオプラヤー川の反対側に渡ったり、途中の市場や小さな貿易会社の集まる中華街を通り抜けたり、華僑の墓地を訪れたりと、普段の観光では目にすることがないバンコクの一面を目にすることができた。

















最も印象に残ったのは、イタリア人の建築家によって建てられたというかつて税関だった建物。現在はかなり朽ち果て、消防車の脇で消防隊員の寮としてかろうじて使われている。かつてホテルとして再生するという計画があったが頓挫してしまったらしい。こうした歴史的な建物が、保護されずにほったらかしにされているというケースはまだ他にもあるようなので、本格的に保護の動きが始まれば、まだまだ魅力的な観光資産になりうるだろう。













今回はまた、オレゴン大学留学中のタイ人の同級生にも再会。彼女はホテル経営するタイ人の男性と結婚しており、タイ南部に新しいホテルを建設中に、将来のためにバンコクのマリオット系のホテルで修行中とのこと。元々オフィスワークをしていた彼女にしてみれば、深夜勤務もあり、レセプションから始めるホテル業界の仕事が楽なはずはなく、将来のファミリービジネスのため、という彼女の覚悟を見た気がした。

バンコクはいまもホテル建設ラッシュで、ホテルオークラやホリデーインを始め、まだまだ5つ星級のホテルだけでもいくつも建設の予定があるという。Over supplyではないのか、と彼女に聞いてみたけど、そんなことはないらしい。元々欧米人に人気の旅行先であったけれど、新興国からも次々と旅行客が押し寄せ、彼女の働くホテルも稼働率はかなり高いらしい。最近は特にロシアからの旅行客の増加が目立つとのこと。タイの観光関連産業で働く人はたいてい英語の問題はないし、外国人の扱いも慣れている。日本のライバルはここにもいる。世界各国からの観光客の奪い合いに勝ち抜いて行かなければいけないのに、なんとも日本の動きにはもどかしさを感じてしまう。

そういえば自分の一番初めの海外旅行もタイだった。思えばあの時からいつか海外で働いてみたい、なんて思い始めていたような気もする。タイ人、同じ日本人の旅行者、西洋からのバックパッカー等、いろんな人に会って、いろんな新しい発見があった。その後のアメリカ留学も、香港への転職も、海外での修士取得も、原点はあのタイ旅行だったと言えなくもない。旅のスタイルはだいぶ変わったし、余裕もできたけど、今回も相変わらずいろいろと刺激を与えてくれるバンコクだったと思う。

2012年2月29日水曜日

THE CONNECTED HARBOUR

日本に帰ると意外と困るのが、無料Wi Fiスポットを探すこと。スタバや他にカフェに言っても、DocomoやSoftbankと契約していれば使えるのですが・・・・と言われることが多い。香港にいると四六時中インターネットにつながった状態なので、いきなり切り離されるといろいろと不便であり不安になる。


ちょっと前にBCGとGoogle共同プロジェクトで、香港のインターネット事情に関するレポートが発行されたことがあり、確かHKUSTからのアナウンスもあったので、発行に合わせて開催されたパネルディスカッションを見学に行ったことがあった。






レポートによると、インフラの整備度やアクセスについては、香港は韓国や日本に遅れをとっているのだけど、個人的な体験からは、海外からの訪問客にとってのインフラの利用しやすさという観点から見ると、香港は日本とは比べ物にならないほど進んでいると思われる。地下鉄の駅、バス、エアポートエクスプレス、マクドナルド、スターバックス等、いたるところでWi Fiが提供されており、プレペイドのサービスに申し込めば、街中に張り巡らされているPCCWのWi Fiサービスが利用可能だ。図書館などの公共施設、公園、スポーツグラウンド、そしてなぜか生鮮食品を扱うマーケット、街市でも政府の無料Wi Fiが利用可能だ。Wi Fiのカバー率では香港は圧倒的に日本より大きいことは間違いなく、このあたりは小さな行政区の大きな政府の本領発揮というところか。

おまけに、香港ではiPhoneのテザリング機能が使えるので、データ無制限プラン(それでも月額3000円もしない)に入っていれば、現実的には24時間Wi Fi環境下にあると言っても過言ではない。そんなインターネット中毒に非常に近いところまで行ってしまった人間が確実に増えている中、インターネット環境、特にWi Fi環境が整っているかどうかは、都市の競争力の源になっていくのではないかとふと思った。特に香港のように流動人口の多いところは、外部から来る人間にやさしいインフラ作りは欠かせないと思われる。

冒頭のレポートにもあるように、インターネットの産み出すお金は非常に大きなものになってきている。インターネットにさえつながっていれば、より充実した情報収集ができてビジネスのディールにつながるっていたのに。インターネットにつながってさえいれば、探しているお土産が見つかって買うことができたのに。インターネットにつながってさえいれば・・・・・。いくらでも例はあげられると思う。そういう意味で、ビジネスセンターとしての位置づけを固めていくために、インターネットインフラの構築は重要なテーマであり、その点香港は実にうまいことやっているのではないかなあと思う。東京は、どうだろう。

2012年2月7日火曜日

缺宅男女

香港のテレビドラマを見ることはこれまであまりなかったのだけど、現在やっている「缺宅男女」というドラマはこれまでにないほどはまっている。
そもそも香港のドラマは毎晩放映するので、追いかけるのがしんどい。
当然作りは安っぽく、日本のドラマとは比べ物にならないのだけど、一度見始めると続きは翌日なので、ついつい見続けてしまう。




缺宅男女」はいくつかのストーリーがからみあいながら並行して進んでいる。結婚間近の若いカップルと、不動産王との三角関係、そして不動産王の妹を巻き込んだ四角関係への発展、不動産王の奥さんにもバレて・・・。また、彼女の方の兄弟夫婦それぞれのマイホームを夢見ながらの悲喜こもごものドタバタが次々と起こる。
嫁姑問題や不倫、義理や人情まで盛りだくさんなのだけど、基本的には比較的低所得層の家族と大金持ちの家族の間での格差が浮き彫りになるような作りになっている。

香港のドラマは、通常一般よりは明らかにお金持ちであろう人々の話が多いような気がするのだけど、今回は2LDK(と思われる)ぐらいの小さいアパートに家族9人で住んでいるような人々の生活が描写されていて、彼ら彼女らのマイホームを手に入れるという夢と次々と襲いかかるアクシデント、平凡な幸せと超お金持ちの誘惑の間で迷い惑わされる素朴な若者の葛藤が描かれているのが興味深い。

MBAのクラスメート等は別として、一般的には香港でマンションを買うというのはまだまだ夢だということが多い。一般的な収入レベルは日本より低いのに、マンションの値段はむしろ高かったりする。
香港はアジアでも所得格差の激しい都市で、億万長者がうようよいるのに、平均所得にすると日本の半分ぐらいになってしまう。ForbsのBillionaires Rankingのトップ200に日本人は5人しかいないのに、香港人は8人ランクインしている。人口は10分の1以下なのだから、人口あたりの富豪の多さが際立つ。その一方で香港人の月給の中央値はHK$18,000(18万円)、最頻値を見るとHK$10,000(10万円)~HK$14,999(15万円)ぐらいなのだ。

自分の住む香港の外れ、離島地区に分類される東涌でさえ、2LDKで3000万円を下る物件を見つけることは難しい。また、香港の不動産は中古でも値下がりしない。築20年以上経っていても、新築当時と変わらない値段で取引されている不動産も少なくない。太古やHungHom等、日本人に人気のエリアも、一見くたびれたマンションでそれほど広いわけでもないのに億ションだったりということはざらなのだ。なのでマンションは手堅い資産としても人気で、身近にも同世代で既に2件持っているという人もいるし、何十件も保有して貸し出しているお金持ちだって珍しくない。

昨日放映されたシーンで、比較的低所得な方の家族の兄弟の一人が、奥さんと言い争う一幕があった。結婚前に、猛烈にアタックを仕掛けていた彼女の強引な勧めに従って同じ職場で働くことになったのだけど、今回公共住宅の申請にあたって家計の収入がHK$16,000を超えていてはいけないということになって、二人合わせるとHK$22,000となってしまう二人が、どちらが会社を辞めるかの言い争いになるのだけど、給与は奥さんの方がHK$13,000、旦那の方が少なくてHK$9,000。少ない方が辞めべきやら、男のメンツで辞められないやら、大人気ないせめぎあいが続くのだけど、まさにこのHK$9,000からHK13,000前後というのは、上でも紹介した香港人の月給の最頻値ど真ん中ストライクなのだ。香港では多くの人が毎晩、自らの生活と重ね合わせて「缺宅男女」を見ているに違いない。

ちなみに「缺宅男女」とは、「マイホームの買えない人々」みたいな意味なのだけど、広東語で発音すると「決擇男女」とも聞こえる。こちらは「選ぶ人々」みたいな意味にもなるので、同音異義語で言葉遊びをしているような感じらしい。マイホームを夢見る人々の選択、恋愛、決断、戸惑いといった意味が4文字に凝縮されている。漢字は奥が深い。

2012年1月16日月曜日

新居を探せ!

新しい日本人の同僚が増えた。本社からの派遣で広州、深センと短期間勤務し、今年から香港勤務になる。ビザを申請し、IDも取れたということで、住まいを見つけることになった。

会社にも近く、深センにも行きやすいという意味で、Hung Homエリアで探したのだけど、大手の不動産屋に行っても、予算8000では取り付く島のないほど冷たいあしらいを受ける。少なくとも10,000を越える予算がなければHung Homでは見つからない、と言われたものの、そんなことはないと思い、地元の小さな不動産屋にも飛び込む。
すると、あることはあるのだけど非常に古い、という。まずは見てみよう、ということで、そのまま物件見学に連れていってもらう。そして案内してもらったのがこちら・・。




























どれもだいたい築30年から40年程。広さは500sqf程あり、家賃は月8000~8500。古い物件なので、実用面積も広く、その意味ではsqfあたりの家賃は安いのだけど、なにせ一人暮らしなのに500sqfもいらず、ベットルーム2つあるぐらいなら狭くて安い方がありがたい。ところが、香港では基本的に一人用の物件は少ないらしく、Hung Homでは特に家族向け物件が多く、スタジオタイプ、1DKタイプはほぼ皆無とのこと。
暮らせないことはないけど、結局いまいち決めきれず、保留。

そこで思い出したのが、Hung Homに住むマカオ人の友人。もしかしたら良い不動産屋を知っているかもしれないと思い連絡すると、知り合いの不動産屋を紹介してくれた上、一緒に物件回りに付き合ってくれるとのこと。休みの日なのに悪いなあとは思ったけれど、Hung Homエリアに詳しい彼女がいてくれると助かるので、お言葉に甘えて同行を依頼。

で、紹介してもらったのがこちらの蕪湖居(Wuhu Residence)
http://www.wuhu-residence.com.hk

先日の築40年とは雲泥の差の、新築ピカピカ、広さは320sqfと小さめながら、洗濯機、エアコン、レンジ、冷蔵庫と基本的な家具が備わっていて月あたりの家賃は8500。7階は眺めが良いとはとても言えないけど、23階の部屋は家賃は10000まで上がるものの、尖沙咀、香港島まで見渡せる素晴らしい景色が広がる。

階下には小さいながらもクラブハウス、プールが付いており、入り口にも若い女性コンシェルジェが常駐という、定年過ぎおじいちゃん管理人がたむろしていただけの先日の築40年とは比べ物にならない。

不動産屋に聞いてみると、最近完成したばかりで、まだ実際住んでいる人は少ないとのこと。オーナーにとっては、買った時より値段が下がっている今は売りにくく、しばらく賃貸に出すという希望の人が多いようで、物件はまだ出てくるかもしれないとのこと。更に、どう頑張っても一人でしか住めない広さなので、需要もそこまで大きくないとのこと。来年も住宅の値段は上がりそうではないので、もう少し待ったらもしかしたら8000ドルを切る物件も出てくるかもしれない。

思わず自分も住みたくなるぐらいのお買い得度ではあったのだけど家賃は同じ程度ながら倍ぐらいの広さのあるアパートに5年も住んでいると、物持ちになってしまい、とても小さいアパートへの引越しは無理。惜しいと思いながら、この物件は同僚に譲り、深夜まで外出した際の緊急滞在先として利用させてもらおうと思う。ちなみに買うとなると安くて260万香港ドル(2600万円)ぐらいから。日本人駐在員も、小さいながら快適そうなこういう物件に住めば、駐在員のコストも一年で軽く100万は削減できると思うのだけど、まだまだ日系企業には余裕があるということなのか・・。