いつもは会社近くの郵便局に転送することが多いのだけど、不在票に気づいたのがもう水曜日だったので、その週の土曜日まで待って、自分で最寄りの郵便局まで出向くことにした。そして当日、郵便局に向かった自分を待ち受けていたのは、待ちに待っていた送り主からの半分あきらめかけていた郵便物だった。
不在票のうち一枚は確かに卒業写真だった。そしてもう一枚の送り元はSanta Monica, California, USA。一瞬考えた後、思い当たったのは、自分がベンチャーキャピタリストとして投資していたアメリカのある会社のある製品のことだった。
昨年7月にIndiegogoを通してUS$30の資金提供をしたBug-A-Saltという対蠅ショットガンが、2012年9月という予定配送時期を大幅に遅れて、ようやく届いたのだった。下記のロケットニュースにも記事があったけれど、このショットガンは、つまり少量の塩を弾丸にした、火薬・化学品不使用、バッテリ不要、楽しく蠅退治ができる玩具なのだ。
スナイパー気分でハエ退治! 対ハエ用ショットガン「BUG-A-SOLT」 がカッコイイ! / 銃弾はなんと“塩”
In Latest Bid to Lord Over Flies, One Man Tries Salting Them Away
ちなみに、Indiegogoとは起業家のためのオンライン資金調達プラットフォームで、一般から小額の資金を幅広く募り、引き換えに製品の格安での提供や一般販売前の配送を約束する仕組みになっている。大きなリターンを期待するというよりは、頑張っている起業家を応援して、うまくいけば自分もちょっと楽しめる、ぐらいの距離感のシステムだ。
US$30というしょぼい額ながらめちゃくちゃかっこ良く言ってみればベンチャーキャピタリストである。定価US$34で販売が始められた製品をUS$30の投資で手に入れ、立ち上げのプロセスの一部に勝手ながら参加したような気分も味わえ、配送の遅れもむしろどうなることかというドキドキ感を感じる良いスパイスにもなり、且つ話のネタや来客時の自慢(?)にもなるであろう。これだけ配送が遅れたのは、製品の特性上、輸入規制に引っかかる恐れがあり、関係当局とのネゴシエーションやサンプル提出、検査のプロセスが長引いたとのこと。ただ、この間も不定期に状況を知らせるメールが届き、最大限の努力をしていることが伺えたため、オーダーはキャンセルせずに長い目で待つことを決めていた。
というわけでようやく手元に届いたBug-A-Saltなのだけど、肝心なことに獲物となる蠅がなかなかいない。むやみに打ちまくるだけだと部屋中が塩だらけになってしまうので、蠅の季節(?)までもうしばらく待ってみようと思う。